練習問題

医療法1 解答・解説編

更新日:

1)×

問題文の「地域保健対策に関する基本的な指針、保健所の設置その他地域保健対策の推進に関する基本事項が定められている」とは「地域保健法」(現任者講習テキストP50)のことであり、「医療法」ではありません。医療法は日本の医療の提供体制を定める法律であり、医業を行うことのできる施設としての病院、診療所、助産所の開設や管理に必要な事項、施設の整備推進のために必要な事項、国や自治体の責任、医療者の責任等について定めています(テキストP46)。

2)○

医療法における医療提供の理念に、「国民自らの健康の保持増進のための努力を基礎として、患者の意向を十分に尊重し ~(中略)~ 医療提供施設の機能に応じ効率的に、かつ福祉サービスその他の関連サービスとの有機的な連携を図りつつ提供されなければならない」(テキストP47)とあります。医療を受ける国民は、国民自身が自分の体・健康の第一の責任者であるという基本的な考えがあり、健康増進法でも国民の責務として「第2条 国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない」としています。

3)×

問題文の「使用させてはならない」の部分が誤りです。医療提供施設の開設者・管理者は医療技術の普及及び医療の効率的な提供に資するため、その医療提供施設の建物または設備を、その医療提供施設に勤務しない医師等の医療の担い手の診療、研究または研修のために利用させるよう配慮しなければなりません(テキストP47)。1997年4月の医療法第3次改正で制度化された「地域医療支援病院」も、紹介患者に対する医療提供、医療機器の共同利用等の実施を通じて、かかりつけ医、かかりつけ歯科医等を支援し、効率的な医療提供体制の構築を図ることを目的としており、建物、設備、機器等を地域の医師等が利用できる体制を確保していることが承認要件になっています。

4)×

病院・診療所には、歯科医院・歯科診療所も含まれるために問題文は誤りです(テキストP47の表1)。歯科医師法は、歯科医師全般の職務・資格などに関して規定した法律です。

<確認しておきましょう>

医療法第1条5

第1項 この法律において、「病院」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、二十人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。病院は、傷病者が、科学的でかつ適正な診療を受けることができる便宜を与えることを主たる目的として組織され、かつ、運営されるものでなければならない。

第2項 この法律において、「診療所」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、患者を入院させるための施設を有しないもの又は十九人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。

2018年6月から改正医療法が施行され、病院・診療所のインターネット上でのホームページ広告のあり方にも大きな影響がありました(参考)。病院や診療所の「医療従事者」として今後公認心理師が加わるのであれば、そのホームページ上で公認心理師の紹介や略歴などを載せる際にも医療法の規定を遵守するよう、注意が必要です。

5)○

医療法は患者となる国民が、自ら受診する病院を選ぶことができるフリーアクセスの根拠となっています。都道府県及び市町村は、住民に対して病院や診療所、助産所の選択の為の必要な情報が得られるよう努めなければならないと、医療法に定められています。また、情報提供のあり方のひとつとして、病院や診療所、助産所の広告のあり方についても定めています。

6)×

報告先は「医療事故調査・支援センターです」。医療事故が発生した場合、施設の管理者は医療事故の日時、場所及び状況を遅滞なく「医療事故調査・支援センター」に報告することが求められています。また、センターの報告にあたっては、患者遺族の存在が明らかであれば、彼らに省令で定める内容を説明する必要があります(現任者講習テキストP48)。

医療法 第6条の10

病院、診療所又は助産所(以下この章において「病院等」という。)の管理者は、医療事故(当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であつて、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかつたものとして厚生労働省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、当該医療事故の日時、場所及び状況その他厚生労働省令で定める事項を第6条の15第1項の医療事故調査・支援センターに報告しなければならない

7)×

医療事故が起こった場合は、施設の管理者が医療事故調査・支援センターへの報告をするにあたり、あらかじめ遺族に対し説明をしなければなりません。

医療法第6条の10

2 病院等の管理者は、前項の規定による報告をするに当たつては、あらかじめ、医療事故に係る死亡した者の遺族又は医療事故に係る死産した胎児の父母その他厚生労働省令で定める者(以下この章において単に「遺族」という)に対し、厚生労働省令で定める事項を説明しなければならない。

医療法施行規則第1条の10の3

2 法第6条の10第2項に規定する厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
(1)医療事故が発生した日時、場所及びその状況
(2)医療事故調査の実施計画の概要
(3)医療事故調査に関する制度の概要
(4)医療事故調査の実施に当たり解剖又は死亡時画像診断(磁気共鳴画像診断装置その他の画像による診断を行うための装置を用いて、死体の内部を撮影して死亡の原因を診断することをいう。次条第5号において同じ)を行う必要がある場合には、その同意の取得に関する事項

8)×

「速やかに調査を開始しなければならない」の部分が誤りです。患者の死亡又は死産が医療事故調査制度の対象になるかどうか(この制度の「医療事故」に該当するかどうか)について、医療機関の管理者(院長)が院内で検討の上判断することになります。つまり、制度の対象になるかどうかについては、遺族ではなく、まず医療機関が判断する制度となっています。遺族が「医療事故」であるという認識を持っていても、医療機関が「医療事故」には該当しないと判断された場合には、遺族は調査報告書を入手した上で再調査を依頼するかどうか判断することになります。

「医療法施行規則の一部を改正する省令の施行について伴う留意事項等について」
(平成28年6月24日医政総発 0624 第1号)

第二 医療事故調査・支援センターについて
4 遺族等からの相談に対する対応の改善を図るため、また、当該相談は病院等が行う院内調査等への重要な資料となることから、医療事故調査・支援センターに対して遺族等から相談があった場合、法第6条の13第1項に規定する医療安全支援センターを紹介するほか、遺族等からの求めに応じて、相談の内容等を病院等の管理者に伝達すること。

9)○

テキストP48に出てくる「医療安全支援センター」という施設があります。医療事故調査・支援センターと混同しないよう注意が必要です。医療安全支援センターは医療法第6条の13の規定に基づき、都道府県、保健所を設置する市及び特別区により、日本全国で380箇所以上設置されています。医療安全支援センターは、医療に関する苦情・心配や相談に対応するとともに、医療機関、患者・住民に対して、医療安全に関する助言および情報提供等を行っています。医療安全支援センターの主な業務は以下の通りです。

  1. 患者・住民からの苦情や相談への対応(相談窓口の設置)
  2. 地域の実情に応じた医療安全推進協議会の開催
  3. 患者さん・住民からの相談等に適切に対応するために行う、関係する機関、団体等との連絡調整
  4. 医療安全の確保に関する必要な情報の収集及び提供
  5. 研修会の受講等によるセンターの職員の資質の向上
  6. 医療安全の確保に関する必要な相談事例の収集、分析及び情報提供
  7. 医療安全施策の普及・啓発

 

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