練習問題

医療保険1 解答・解説編

更新日:

1)×

国民健康保険、後期高齢者医療制度ともに運営主体は都道府県なので×。国民健康保険は2018年4月から運営主体が市町村から都道府県に移管されました。一方、75歳以上で加入する後期高齢者医療制度の運営主体は、都道府県であり、現任者講習テキストP59(以下:テキスト)にある通り、医療保険制度から脱退して都道府県単位で加入することとなっています。

2)○

これはテキストには載っていない知識からの問題でした。すみません。ですが、公認心理師にとって必要な知識かもしれないと思い、あえて問題にしました。テキストP59にある通り、後期高齢者医療制度は、75歳以上で加入することになります。厳密には、原則として75歳以上の方、または65歳以上~75歳未満で一定程度の障害の状態にある方は後期高齢者医療制度の対象者(被保険者)となります。一定の障害には

  • 国民年金法等における障害年金:1・2級
  • 精神障害者保健福祉手帳:1・2級
  • 身体障害者手帳:1・2・3級及び4級の一部
  • 療育手帳:A

が該当し、問題にある、精神障害者保健福祉手帳の1級もしくは2級を持つ場合は、65歳以上の者は後期高齢者医療制度の対象となります。ちなみに生活保護受給者は生活保護費における医療扶助が適用されるため、75歳になっても引き続き生活保護法の枠組みで医療給付を受ける事となり、後期高齢者医療制度の除外対象となります。詳しくはこちらのページ(国民健康保険ガイド)にわかりやすくまとめてありましたので、ご参考までに。

 

3)○

義務教育就学前(未就学児)は、6歳に達した日の最初の3月31日までは、医療費自己負担分は2割です。(テキストP59)

4)○

テキストP59にも「地方厚生局長に登録された保険医が保険診療を、保険薬剤師が保険調剤を行う」とあり、公的医療保険の適用を受ける調剤(保険調剤)を行えるのは保険薬剤師のみです。調剤自体は薬剤師資格を持っていれば誰でも行うことができますが、健康保険を扱う医療機関や医療提供施設では、厚生労働省の認定を受ける必要がありますので、健康保険に対応した処方箋を扱うには、保険調剤薬局として指定されていなければなりません。地域の薬局やドラッグストア(調剤併設型)もお客さんの利便性(+集客)を考えるとやはり保険調剤ができたほうが良い・・・という訳で、現在の日本の調剤薬局は、ほぼ保険薬局として指定を受けていると思って差し支えない状態になっており、そこで働く薬剤師さんは必ず保険薬剤師としての登録をしています。保険薬剤師は、医師からの指示のない処方箋の場合、患者さんの要望を確認しながら、薬価の安い後発医薬品(ジェネリック)に変更することもできます。

5)○

保険診療においては厚生労働省の定める療養担当規則(保険医療機関及び保険医療担当規則)に従わなければならず、保険調剤においては同様に保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則が定められています。(テキストP59~60)

6)×

これは、療養担当規則に定められています。保健医療機関は保険医が行う処方箋の交付に関し、患者に特定の保険薬局で調剤を受けることを指示することはできません。この規則が定められているから、私たちは、病院でもらった処方箋を持っていけば、近所の調剤薬局併設のドラッグストアでも、どこの保険調剤薬局でも、調剤をしてもらうことができるのですね。

<参考:療養担当規則>

第2条の5

第1項 保険医療機関は、当該保険医療機関において健康保険の診療に従事している保険医(以下「保険医」という。)の行う処方せんの交付に関し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行つてはならない。
第2項  保険医療機関は、保険医の行う処方せんの交付に関し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことの対償として、保険薬局から金品その他の財産上の利益を収受してはならない。

(特定の保険薬局への誘導の禁止)
第19条の3

第1項 保険医は、処方せんの交付に関し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行つてはならない。
第2項  保険医は、処方せんの交付に関し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことの対償として、保険薬局から金品その他の財産上の利益を収受してはならない。

7)○

保険医は患者の診療を行った場合、必ず所定様式の診療録に診療にかかる必要な事項を記載する義務があります。診療報酬の根拠は診療録による為であるからです。

<参考:療養担当規則>

(診療録の記載)
第22条 保険医は、患者の診療を行つた場合には、遅滞なく、様式第1号又はこれに準ずる様式の診療録に、当該診療に関し必要な事項を記載しなければならない。

8)×

保険医療機関は診療録を自費診療等の保険診療以外の診療録と区別して整備し、診療完結の日から5年間保存しなければならないとしています。療養担当規則には以下のように書かれています。

<参考:療養担当規則>

(診療録の記載及び整備)
第8条  保険医療機関は、第二十二条の規定による診療録に療養の給付の担当に関し必要な事項を記載し、これを他の診療録と区別して整備しなければならない。

(帳簿等の保存)
第9条  保険医療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から3年間保存しなければならない。ただし、患者の診療録にあつては、その完結の日から5年間とする。

9)○

日本の保険医療制度の特徴は国民皆保険制度、現物給付、フリーアクセスの3点に集約されます。それぞれの言葉の意味は以下の通りです。

国民皆保険制度・・・すべての国民が、何らかの公的医療保険に加入しており、国民であれば被保険者として誰もが医療を受けられる。
現物給付制度・・・医療行為(現物)が先に行われ、費用は保険者から医療機関へ事後に支払われる。
フリーアクセス・・・自らの意思により、自由に医療機関を選ぶことができる。

10)○

療養担当規則では、保険医は特殊な療法や新しい療法については、厚生労働大臣の定めるもののほか行ってはならないとしています。

<参考:療養担当規則>

(特殊療法等の禁止)

第18条 保険医は、特殊な療法又は新しい療法等については、厚生労働大臣の定めるもののほか行つてはならない。

健康保険では、医療行為ごとに診療報酬点数というものが決まっています。たとえば、医師が診察したり、注射をしたりする技術料や薬剤師の調剤技術料や薬の費用などがそれぞれ点数化されているのです。中央社会保険医療協議会というところが、健康保険制度や診療報酬の改定などについて審議して、それに基づき厚生労働省が診療報酬点数を定めています。したがって、日本全国どこの医療機関でも、同じ診療・医療技術に対しては、同じ金額で医療を受けることができるのです。 ちなみに、2010年に日本でも認知療法・認知行動療法が健康保険の適用となった訳ですが、厚生労働省からは保険診療として算定するにあたって、以下のような注意が出ています。ここはテキストには載っていないのですが、公認心理師の仕事に関わる大事なところかと思いますので、厚生労働省「保険診療の理解のために」より抜粋を載せておきます。

<認知療法・認知行動療法の留意点>

・ 認知療法・認知行動療法とは、入院中の患者以外のうつ病等の気分障害、強迫性障害、社交不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害又は神経性過食症の患者に対して、認知の偏りを修正し、問題解決を手助けすることによって治療することを目的とした精神療法をいう。
・ 気分障害、強迫性障害、社会不安障害、パニック障害又は心的外傷後ストレス障害に対して行う場合は、厚生労働科学研究班作成のマニュアルに従って行った場合に限り、算定出来る。
・神経性過食症に対して実施する場合には、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター研究班作成のマニュアルに従って行った場合に限り、算定出来る。
・ 一連の治療計画を策定し、患者に詳細な説明を行い、認知療法・認知行動療法に習熟した医師(研修を受講するなど)により、30分を超えて治療が行われた場合に算定する。
・ 認知療法・認知行動療法を行った場合は、その要点及び診療時間を診療録に記載する。
・ 医師と看護師が共同して行う場合、施設基準と算定要件に特に留意する。

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「テキスト読んでも、そんなの載ってないよ!」と怒られてしまいそうな問題が多くなってしまいましたが、医療保険(自己負担分)や療養担当規則は、公認心理師の実務にも関係する大事なところかなと思い、あえて取り上げました。勉強ノート(医療保険と療養担当規則)の方に載せたリンクも、ざっとご一読いただけると解けると思います。

 

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