練習問題

保健医療分野における心理社会的課題2 解答・解説編

更新日:

1)○

現任者講習テキストP63(以下:テキスト)にちらっと登場する「患者の権利に関するWMA(世界医師会)リスボン宣言」では、患者は自己決定、選択の自由、守秘義務に対する権利、尊厳に対する権利等を有するとしています。ただし、意識のない患者について、代理人から可能な限りインフォームドコンセントを得ること、患者の事前の意思表示や信念を尊重することを明記しつつ、しかしながら医師は自殺企図により意識を失っている患者の生命を救うよう常に努力すべきであるともしています。

(参照:日本医師会HP「患者の権利に関するWMAリスボン宣言」)

意識のない患者

a. 患者が意識不明かその他の理由で意思を表明できない場合は、法律上の権限を有する代理人から、可能な限りインフォームド・コンセントを得なければならない。
b. 法律上の権限を有する代理人がおらず、患者に対する医学的侵襲が緊急に必要とされる場合は、患者の同意があるものと推定する。ただし、その患者の事前の確固たる意思表示あるいは信念に基づいて、その状況における医学的侵襲に対し同意を拒絶することが明白かつ疑いのない場合を除く。
c. しかしながら、医師は自殺企図により意識を失っている患者の生命を救うよう常に努力すべきである。

 

2)×

患者と医療者が共同で治療の意思決定を行うことをSDM(Shared decision making)といいます。(テキストP64)医療サービスにおいては、受益者である患者と、提供者である医療者との間には常に情報格差が存在します。現代では、医療者は常にこの格差を意識し、縮小するよう努め、患者を中心とした水平的な関係を目指しています(インフォームド・コンセントもその一環です)。

3)×

これはEBMによくある誤解です。テキストP64の通り、EBMには「科学的根拠」「臨床上の経験・技能」「患者の価値観」の三要素(近年はこれに「患者を取り巻く状況・環境」が)追加されています)があり、診療・治療行動の最終決定を行う上で、たんに研究結果やデータ(科学的根拠)だけを頼りにするものではなく、「医療者の臨床上の経験・技能」そして「患者の価値観」を総合して、患者さんにとってより良い医療を目指そうとするものです。(参照:EBMってなに?

4)○

テキストP65に登場する「KYT」は危険予知トレーニング(または危険予知訓練)の略。…日本語の頭文字なんですね。職場や作業の状況を描いたイラストや、実際の現場で、事故を引き起こす可能性のある行動や状態、どんな事故が想定されるかを予想し、グループ討議、もしくは個人で考えます。その上で、どのような改善ができるか、どのような行動をとることで予防できるかを確認、行動目標を決定し、安全先取り行動を実践するものです。(参照:中央労働災害防止協会HP

5)×

医療安全活動における5Sとは、整理、整頓、清掃、清潔、「しつけ」の5つです。(テキストP65)

6)○

感染対策における標準予防策とは、すべての患者を対象にする感染予防策であり、血液、汗以外の体液・分泌物・排泄物もすべて感染性があるとして扱います。(テキストP65)

7)×

WHOの手指衛生の5つの瞬間は、「患者に触れる前」「清潔・無菌操作の前」「体液に暴露した可能性がある場合」「患者に触れた後」「患者周辺の物品に触れた後」の5つです。(テキストP65)

8)×

診療録は5年保存です。テキストP66にある通り、病院管理者は診療に関する諸記録は作成日から2年間(保健医療機関は3年間)保存しなければなりません。(参照:厚生労働省HP 法令上作成保存が求められている書類

9)○

日々の診療録はSOAP形式で入力を行います。(テキストP66)この形式に沿って記録することによって、「何故このような処置をしたのか」という客観的整合性と、レセプト請求の根拠を記すことができます。たとえば「今処方されているお薬でもなかなか眠れない」という患者さんの訴え(主観的情報:S)と医師から見た患者さんの様子(客観的情報:О)によって、「確かに眠れていないようだ。薬が合っていないかもしくは量が少ないかな?」という見立て(治療者の分析・評価・見立て:A)を行い、投薬内容の変更(治療計画:P)を行った。というように、記録することで、治療方針(もしくは変更)の根拠を示し、保険医療においてはレセプト(診療報酬明細)の根拠となります。

10)○

テキストP66に登場するPОMR(Problem Oriented Medical Record 問題志向型診療録)。これは基礎情報の収集、問題点の抽出とリストの作成、初期治療計画の立案、経過記録の4つの段階で成り立っています。

基礎情報の収集 患者さんのプロフィール・診査・臨床診断・臨床検査(X線等)
問題リスト(情報分析) 問題抽出・問題のグループ化・問題リストの作成
初期治療計画の立案 問題点・治療計画(診断的計画、治療的計画、教育的計画)
経過記録 診察や処置年月日・問題ごとにSOAP形式で記載・処方箋や指示書の内容

このPОMRを導入する利点は、単に整理された論理的な記録となるだけではなく、医師相互や医療チームメンバー相互間で、その患者さんに対する現在の治療方針とその判断に至る経緯を共有し、客観的な批判・見直しが可能であること、医療を担うものへの教育的な役割も果たすことにあるといえます。

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以上です。いかがでしたでしょうか。個人的には「POMRだとかSOAPだとか、カタカナや横文字はもういい加減にしてくれぇぇぇ!KYTなんて元は日本語じゃないか!略せば格好いいとでも思っているのか!!」と叫びだしたい気持ちになりましたが、悲しいかないくら叫んでも点数にはなりません。地道に頑張りましょう。

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