練習問題

医療法2 解答・解説編

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【以下の問題は現任者講習テキスト以上の知識を必要とするハイレベル問題です。更なる得点アップを目指す方はチャレンジしてみましょう】

10)○

医療法は、病院、診療所及び助産所の開設と管理に関して必要な事項が定められています。その中で第20条では、病院、診療所又は助産所は、清潔を保持するものとし、その構造設備は、衛生上、防火上及び保安上安全と認められるようなものでなければならないとし、以降21条~22条で、地域医療支援病院・特定機能病院・臨床中核病院の備えるべき設備・人員・記録などを規定しています。また、第23条では病院、診療所、助産所の構造設備について必要な基準を厚生労働省令で定めるとしています。

<確認しておきましょう>

医療法第23条 第21条から前条までに定めるもののほか、病院、診療所又は助産所の構造設備について、換気、採光、照明、防湿、保安、避難及び清潔その他衛生上遺憾のないように必要な基準は、厚生労働省令で定める。

「法」と「施行規則」、「省令」など法体系にはいろいろな用語が登場して混乱しますね。最も中心であり、上位の決まりが「法律」ですが、この「法律」というもの定めた時点で漏れなく規制することは難しく、時代の変化や出来事・状況に合わせて柔軟に対応するため、曖昧に書かれています。「こんなことを決めますよ。目的や大まかな決まり、方向性はこの通りですよ」というような大枠・概要を決めていると言ってもいいかもしれません。その法律の曖昧な部分を補うのが、「施行令」や「施行規則」です (参考)。公認心理師法も、この後様々な省令、施行規則が足されていくことでしょう。

11)○

テキストP47に登場する「助産所」(助産院と呼ばれることもある)についてはご存じでしょうか。日本で助産師免許を取得できるのは女性のみで、まず看護師免許(国家資格)を取得してから、さらに1~2年間、助産師教育機関で学び、助産師国家試験で合格することで助産師免許が得られます。また、助産師の仕事は「出産に立ち会い、赤ちゃんを取り上げること」だけではなく、妊婦の健康管理、食事・運動の指導、出産後の体調管理、母乳指導、乳児指導など、妊娠から出産、育児に至るまで、母子の健康を守るための一連の管理・指導活動を行うのが助産師です。助産師は正常分娩であれば医師の指示を必要とせず、自身の判断で助産介助ができる為、病院で働くことも、自分で助産所を開設することもできます。多職種連携を旨とする公認心理師ですので、助産師さんとの連携も必要になる時があるかもしれません。

12)×

問題文の「医師法の定め」が誤り。正しくは「児童福祉法」です。「助産所」について学んだら、「助産施設」についても学んでおきましょう。助産施設は、児童福祉法第36条の定めにより、医学上・保健上の理由で産婦が助産を受ける必要があるにも関わらず、経済的な理由等で病院や診療所、助産院などで助産を受けることが出来ない場合、入所して助産を受けることができる施設です

児童福祉法第36条 助産施設は、保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により、入院助産を受けることができない妊産婦を入所させて、助産を受けさせることを目的とする施設とする

13)○

助産施設の利用は、申請主義。つまり利用する妊産婦が申し込むことで初めて利用できるものです。制度を知らなければ利用できません。生活保護受給者の場合は、助産施設を利用するかしないかを選択する事になります。助産施設で出産する場合、費用は国が助産施設に対して支給することになります。利用しない場合は、生活保護費の出産扶助費から出産にかかる費用を支払うことになります。

児童福祉法 第三節 助産施設、母子生活支援施設及び保育所への入所

第22条

第1項 都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村(以下「都道府県等」という。)は、それぞれその設置する福祉事務所所管区域内における妊産婦が、保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により、入院助産を受けることができない場合において、その妊産婦から申込みがあつたときは、その妊産婦に対し助産施設において助産を行わなければならない。ただし、付近に助産施設がない等やむを得ない事由があるときは、この限りでない。

第2項 前規定する妊産婦であつて助産施設における助産の実施(以下「助産の実施」という。)を希望する者は、厚生労働省令の定めるところにより、入所を希望する助産施設その他厚生労働省令の定める事を記載した申込書を都道府県等に提出しなければならない。この場合において、助産施設は、厚生労働省令の定めるところにより、当該妊産婦の依頼を受けて、当該申込書の提出を代わつて行うことができる。

14)×

「助産施設」という独立した施設や建物はありません。従って誤りです。主に病院の産科・産婦人科や助産所が助産施設として指定されています。利用の費用も無料ではなく、世帯所得に応じた負担があります。

15)○

助産施設となっている病院や助産所は、一般の産婦よりも児童福祉法第22条による入所措置を受けた妊産婦を優先して入所させなければなりません。

16)○

助産所で出産できる妊産婦は、母体に合併症がなく、妊娠中の経過に大きな異常のない場合に限られています。助産所の業務は、分娩の補助や妊産婦・新生児の保健指導で、診療所とは異なり、医療行為を目的としません。このため、医師は常駐しておらず、助産所では医療行為を行うことができません。診察等の医療行為が必要な場合は、助産所が嘱託する医師・医療機関(病院・診療所)によって適宜行われることになります。

17)○

地域医療支援病院とは、地域の中核病院として、地域の診療所やクリニックでは対応困難な専門的治療や高度な検査、手術などを行い「地域完結型医療」の中心的役割を担います。(地域医療支援病院は、地域の診療所やクリニックでは対応困難な患者さんの紹介を受け、高度な医療を提供し、患者さんの病状のある程度の安定・回復を得られたら、再び地域のかかりつけ医に逆紹介を行うことになります)。救急医療の提供も義務づけられています。

また、地域医療支援病院は、建物や設備、器械・器具を(地域のもしくは他の)医療従事者の診療、研究又は研修のために利用させること、地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行うこと、居宅等における医療提供推進のために必要な支援を行うことなども求められています。特に、居宅等における医療提供推進は、近年の改正により付加されたもので、今後のさらなる高齢化社会に向け、在宅支援を受ける患者さんの増加を見越した改正と思われます。

18)×

厚生労働大臣の承認です。臨床研究中核病院は、日本発の革新的医薬品・医療機器の開発などに必要となる質の高い臨床研究を推進するため、国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担う病院として、厚生労働大臣の承認を得て称することが出来ます(医療法第4条第3項)。ちなみに「地域医療支援病院」は都道府県知事からの承認を得て称することが出来ます。

「臨床研究中核病院」の名称を掲げることで、国際水準の臨床研究等の中心的役割を担う病院として認知され、より質の高い最先端の臨床研究・治験が実施できるため、平たく言うと
①臨床研究・治験に参加したい被験者が集まり、症例が集積される
②臨床研究・治験を実施するための優れた研究者等の人材が集まってくる
③他の施設からの相談や研究の依頼が集まってくる
という効果が期待されています。質の高い臨床研究・治験の実施が医薬品・医療機器開発につながり、その結果を医療現場に還元することで、より良質な医療の提供を可能にしようとする目的を持っています。

19)○

地域医療支援病院は、病院規模は原則、病床200床以上で救急医療を提供する能力を有することとされています。他にも診療科の数や、地域病院からの患者さんの紹介率や逆紹介率、集中治療室・細菌や病理検査施設・病理解剖室や講義室、図書室などの設備など、承認される為には様々な要件を満たす必要があります。

20)×

これは臨床研究中核病院の説明です。特定機能病院とは、一般の病院などから紹介された高度先端医療を必要とする患者に対応する病院として厚生労働大臣の承認を受けたものです(医療法第4条2項)。一般の病院としての設備に加えて集中治療室、無菌病室、医薬品情報管理室を備え、病床数400床以上、10以上の診療科、来院患者の紹介率が30%以上であることが条件となっています。2016年4月以降は、紹介状を持たない初診患者から選定療養費として5,000円(歯科は3,000円)以上の金額を徴収することが特定機能病院の義務となりました。「地域医療支援病院」は救急医療の提供が義務付けられていますが、特定機能病院は救急医療の提供義務はありません。

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