練習問題

地域保健法1 解答・解説編

更新日:

1)○

1994年(平成6)、保健所法は地域保健法に改正されました(現任者講習テキストP50)。地域保健法は、地域保健対策の推進に関する基本指針、保健所の設置その他地域保健対策の推進に関し基本となる事項を定めることにより、母子保健法その他の地域保健対策に関する法律による対策が地域において総合的に推進されることを確保し、地域住民の健康の保持および増進に寄与することを目的としています。この改正では、これまで保健所と市町村がそれぞれ提供してきた地域保健サービスを一元化し、市町村保健センターが実施することとしました。

平たく言うと、従来、保健所が地域の公衆衛生活動を一手に引き受け、重要な役割を果たしてきましたが、対人保健サービス分野での保健需要が多様化、高度化してきたことから、市町村保健センターを新たに設置することで、保健所(+市町村)がこれまで担ってきた対人保健サービス業務・機能を一部分離。地域における母子保健・老人保健・住民の健康づくりなど、住民に身近な保健活動は市町村保健センターに移し、保健所の位置づけを新たに行ってその機能を強化、地域保健のマンパワーも強化、という方向を目指していると言えます。保健所は地域保健の行政専門機関という色合いが強いのに対して、市町村保健センターはあくまでも地域住民のための健康づくりの場という色合いが強く、市町村保健センターの具体的な業務は市町村がその地域の住民のニーズに合わせて設定を行うことができます。

保健所は行政機関ですので業務は地域保健法によって定められていますが、市町村保健センターは、地域保健法にも「市町村は、市町村保健センターを設置することができる」と書かれており、この文言から市町村に設置を義務付けているものではない(”設置が必要なら設置していこうね。設置にはお金もいるしね。無理しなくて良いけどね”という感じ)ことが分かります。

2)×

健康増進法、母子保健法、がん対策基本法は、対人保健ですが、食品衛生法は対物保健です(テキストP50)。

3)○

保健所は地域保健法に基づき、都道府県、指定都市、中核市、特別区などに設置されている(テキストP50)。ちなみに指定都市とは、地方自治法で「政令で指定する人口50万以上の市」と規定されている都市のこと。大阪市・名古屋市・横浜市・北九州市・さいたま市のように大きな都市ですね。「政令指定都市」、「政令市」、「指定市」などといわれることもあります。中核市は、現在の指定要件は「法定人口が20万人以上」。青森市・宇都宮市・船橋市・大津市などなどです。そして、特別区は「都の区」と規定されています。平たく言えば東京都23区のこと。でも本当は「東京都の区」ではなくて、「都の区」。現在のところ日本で「都」は東京のみであるため、結果的に23区のことを指します。

4)○

テキストP50「地方衛生研究所は、公衆衛生の向上のために各種の試験・検査や公衆衛生情報等の収集・解析・提供のほか、調査研究・研修指導を行う機関である」とあります。

地方衛生研究所は、地域の地域保健に関する科学的・技術的中核となり、調査研究および、その地域の保健関係者の研修を実施機関として地域保健対策の中に位置づけられました。ただし、近年は各自治体の財政状況悪化に伴い予算削減、大学や民間企業との業務の住み分けが進み、常勤職員の減少、主活動であった調査研究業務が縮小され、最低限必要な試験検査に重点化される傾向があるようです。

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5)×

保健センターの業務は地域住民への直接的なサービスが主となります。市町村保健センターは、市町村レベルでの健康作りの拠点であり、地域住民に密着した健康相談などが業務です。一方、専門的で広域的な健康課題への対応や、看護師免許申請の受理、医療監視は保健所の仕事です。医療監視とは、医療法第25条第一項の規定に基づく「立ち入り検査」のこと。医療法に基づいた安全管理体制や感染対策、個人情報保護法、放射線機器の取り扱いといった、医療機関の設備・管理の維持を目的に保健所等による点検が行われます。

保健所の業務は幅広く、住民の健康管理・健康指導、医療監視、公共の医療事業の向上・改善、伝染病の予防、人口動態統計などの調査や分析も行っています。さらに、こころの相談、感染症の相談や検査、飼い犬の登録や狂犬病予防・浮浪犬の捕獲、ねずみや害虫の駆除、飲料水の水質調査、食品営業許可の受付、食中毒の予防、医療機関の開設許可、医薬品や劇物の販売業の許可など盛りだくさんです。

保健センターの業務は設置する市町村によって差異はありますが、乳幼児健診、小児予防接種、健康相談、成人病検診、がん検診、訪問指導、機能訓練教室など市町村住民への直接的なサービスが挙げられます。

地域保健法 第4章 市町村保健センター 第18条

第1項 市町村は、市町村保健センターを設置することができる。

第2項 市町村保健センターは、住民に対し、健康相談、保健指導及び健康診査その他地域保健に関し必要な事業を行うことを目的とする施設とする。

6)×

問題文は水道法について書かれています。生衛法は、厚生労働省が所管する「生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律」の略称です。問題文の「給水設備基準や、簡易専用水道の水質・衛生水準」を定めているのは水道法です。

 

7)×

罰則規定はありません。健康増進法第25条では、多数の者が利用する施設の管理者に対し、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう求めており、努力規定を制定しています。しかし、この条文に違反しても、法令上なんの罰則もありません。なお、厚生労働省健康局長通知により、本条の制定趣旨、対象となる施設、受動喫煙防止措置の具体的方法を明示しているが、こちらも法的強制力はありません。

8)×

設置は義務づけられていません。地域保健法第4章第18条第1項「市町村は、市町村保健センターを設置することができる」とあります。この文言から市町村に設置を義務付けているものではないことが分かります。

9)○

保健所は疾病の予防、衛生の向上など地域住民の健康の保持増進に関する業務を行います。また、保健所の施設の利用又は保健所で行う業務については、政令で定める場合を除いては、使用料、手数料又は治療料を徴収してはならないとしています。例えば、HIV・梅毒等の検査は、各保健所で無料・匿名で受けることができます。また、平成30年度現在、対象者は限られますが、多くの自治体で風しん抗体検査も無料で受けられます。

地域保健法

第14条 保健所の施設の利用又は保健所で行う業務については、政令で定める場合を除いては、使用料、手数料又は治療料を徴収してはならない。

10)○

母子保健法第15条では「妊娠した者は速やかに市町村長に妊娠の届出をするようしなければならない」としています。また、母子保健法第16条では、「市町村は、妊娠の届出をした者に対して、母子健康手帳を交付しなければならない」としています。

 

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お疲れ様でした。法律の世界はどの法律1つとっても、果てしなく広がる大平原のようで、「もう嫌だ・・」と音を上げてしまいそうです。でも、人生無駄な知識はひとつもありません。1つの知識が合否の明暗を分けることもあるでしょう。”1つ覚えたら1点上がる”と信じてコツコツいきましょう。

 

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