練習問題

支援費制度と障害観の変容1 解答・解説編

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1)×

これは障害者自立支援法の説明です。(公認心理師現任者講習テキスト 以下:テキスト p77)措置制度から支援費制度への変更の流れは、テキストにはあまり詳しく書いていないところです。こちらのHP(独立行政法人福祉医療機構WAM NET)で障害者福祉制度の概略が理解できると思います。「障害者自立支援法」が2016年に現行の法律、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」となり、障害者の範囲に一定の難病等が追加されたことも、残念ながらテキストにはかかれていませんが、大きな変更点です。一定の難病とは、「難治性疾患克服研究事業」の対象である130疾患と関節リウマチとしています。難病の患者への福祉サービスは、これまでは補助金事業として一部の市区町村でしか実施されていませんでしたが、この障害者総合支援法の対象となることにより、すべての市区町村での実施が可能になりました。

2)×

三障害体系とは「身体」「精神」「知的」障害の3つ。障害者自立支援法では、この三障害体系で構築されていた福祉サービスを統合し、同時に利用者の生活に最も身近な市町村が一元的にサービスを提供し、国は義務的経費として財政支援することなどをうたっていました。(テキストp77)

3)○

障害者権利条約では、障害を医学モデルではなく、社会も出るとしてとらえ、「Nothing about us without us!(私たちのことを私たち抜きで決めるな)」という当事者による意思決定を重視しています。(テキストp78)

4)×

発達障害は「精神障害」に含まれます。(テキストp78)

5)×

社会的障壁とは、障害者が日常・社会生活を営む上で障壁となる事物や社会制度のことだけではなく、現在の慣行、観念、その他一切のものを含みます。(テキストp78)社会的障壁の解消においては、この観念や慣行も含めて見直されていく必要があると考えられています。

6)○

障害児・者福祉の憲法ともいうべき、障害者基本法は、障害者権利条約の批准を目的に、2011年に大幅な改正を行い、障害児・者は生物学的特性としての障害と社会的障壁による二次関数として捉られることになりました。これが日本における「障害の医学モデル」から「社会モデル」への転換点となりました。(テキストp78)

7)○

社会的障壁の解消に向けた「合理的配慮」の必要性が謳われ、官民問わず「合理的配慮」の提供に向けた手続きを定めるものとして、障害者差別解消法が2016年に施行されました。(テキストp78)ちなみに、この障害者差別解消法では、「合理的配慮」については、国の行政機関や地方公共団体は義務、民間事業者に対しては努力義務を課した上で、対応指針によって自主的な取組を促すこととしています。

8)○

障害者が家族から自立して生活するための制度保障は、なおまだ不十分であり、障害者虐待防止法が、児童虐待等と異なり、「虐待を行った養護者への支援」という視点を設定したのは、こうした障害児・者福祉の立ち遅れへの対応であるともいえます。(テキストp78)

9)×

「常に障害者本人の支援を優先」の部分が誤りです。ちょっと意地悪な問題でした。障害児・者福祉のキーワードは「自己決定(意思決定)」ですので、障碍者本人の意思は尊重される必要がありますが、テキストp78にある通り、本人支援と家族支援が無前提に一致することは到底考えられない困難な状況があります。また、障害者を支える家族の支援も重要なポイントです。その為、心理職は障害者本人の支援と家族支援が一致しない場合においても、障害者の意思が尊重されるよう配慮しながらも、障害児・者と家族双方の利益バランスに配慮しながら調整する技能が求められます。(テキストp79)

10)×

心理職は、障害児・者に対する個別的で具体的な援助方法を知っていることはもちろん、障害児・者とともに暮らす家族に対して、家族福祉や社会診断の観点から評価し、援助する技能を持っていることが求められます。(テキストp79)ちなみに、社会診断とは主訴を明確にし、その背後にある本質的な問題を分析し、家族の虐待の危険性や、家族間の認識、感情、態度の分析、社会資源の活用の可能性、援助に対する意向などを含め、最善の援助のあり方について判断するものであり、問題の様相、原因、援助に関する所見等が含まれます。

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以上です。

現在「障害」の表記については「障碍」「障がい」など様々なものがありますが、今回は公認心理師現任者講習テキストに書かれている表記と揃え、「障害」の表記を用いました。

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