練習問題

教育に関する基本的な法律とその意義1 解答・解説編

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1)×

教育基本法では、第1条に、教育の目的は「人格の完成」を目指すものであるとしています。(公認心理師現任者講習テキストP85 以下:テキスト)「幅広い知識や教養を身につけること」は、第2条の教育の目標の1つ。いじわるな引っ掛け問題ですね。テキストをもう一度よく読んでみてください。

参考:教育基本法

第1条 教育の目的

教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健全な国民の育成を期して行わなければならない。

第2条 教育の目標

教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。

  • 一 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
  • 二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
  • 三 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
  • 四 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
  • 五 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。

2)×

これは、教育基本法ではなく「学校教育法」の説明です。似たような名前なので、間違えてしまいそうですね。学校教育法では、憲法及び教育基本法の理念を受けて学校教育制度の内容と基準について具体的に示しており、日本の教育の6・3・3・4制の学校教育制度の基準等が規定されています。(テキストP85)

3)×

幼稚園も含みます。学校教育法の第1条、学校の定義では「この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び専門学校とする」としています。(テキストP86)じゃあ保育園は? 保育園は、厚生労働省の管轄のもと、児童福祉法に基づいて運営されています。(幼稚園は、文部科学省の管轄のもと、学校教育法に基づいて運営されています。)
そのため、保育園よりも幼稚園の方が「教育」の要素が強く、保育園は「福祉・生活」が最大の目的となっています。国の定める「保育指針」という共通の教育理念に基づいて運営されているため、大きな違いはないはずですが、細かく見れば、それぞれの園が独自の方針にそった教育を行っていると言えます。保育園は、通常0歳から入園できますが、幼稚園は通常満3歳から。預けられる時間の長さも違います。

4)○

学校教育法では、学校の設置者(第2条)、学校設置基準(第3条)、校長・教員の資格(第8条)などが定められています。(テキストP86)

5)×

子どもに9年の義務教育を受けさせる保護者の義務について規定しているのは、「学校教育法」です。第16条で規定しています。(テキストP86)ちなみに、学校教育法では、第16条による義務教育を受けさせる保護者の義務の規定に加え、91条では就学義務違反の保護者に対し、督促を受けても就学させないときには10万円以下の罰金に処すると定めています。

6)×

これも「学校教育法」の誤りです。2007年の学校教育法 第37条の改正により、学校に副校長、主幹教諭、指導教諭の職を置くことができるようになりました。(テキストP86)

7)○

問題1で示したように、教育基本法では第1条に教育の目的、第2条に教育の目標を掲げています。(テキストP85)ちなみに、第三条では「国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない」として生涯学習の理念を、第四条 では「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない」として、教育の機会均等をうたっています。最近、医学部の入学は男性に比べて女性が不利になっているとニュースになりましたが、このあたりは…どうなのでしょうね。

8)○

ここからはチャレンジ問題としましたが、テキストP86に登場する「義務教育学校」についての問題です。義務教育学校は、「学校教育制度の多様化及び弾力化を推進するため、現行の小・中学校に加え、小学校から中学校までの義務教育を一貫して行う」学校であり、初等教育と中等教育の一部の合計9年間の課程を一体化させた学校のことです。カリキュラムや学校運営について、早期学習カリキュラムの導入や、小学校からの教科担任制の導入、小中一貫の部活動など、設置者によって柔軟に運用することができます。また、市区町村には公立小学校と公立中学校を設置する義務がありますが、過疎地においては学校を統合することで地域の学校を安価に維持することができるというメリットもあります。

9)×

中等教育学校とは、前期中等教育(中学校などにおける教育)と後期中等教育(高等学校などにおける教育)を一貫して施すシステムをとる学校であり、日本では中高一貫教育のことを指します。

10)○

2006年に改正された新教育基本法では、目標達成型教育が打ち出され、愛国心、道徳心の育成が新たな教育目標に明記されました。

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以上です。教育基本法と学校教育法、ちょっと名前が混乱しそうですが大事な法律ですのであえて、混ぜた問題を作ってみました。大本の教育理念について書かれているのが「教育基本法」。その理念を実現するための、教育制度や各学校や設置者、設置基準、教員の資格などについて定めているのが「学校教育法」と覚えておけば、概略は大丈夫だと思います。

教育基本法は、「教育の憲法」と呼ばれる、全ての教育関係の法律の大本にある、文字通りの基本法です。この改正にあたっては大きな議論もありました。日本の教育がどこへ向かおうとしているのか、私たち国民がどのような「人格の完成」(人格の形成)を目指しているのか。個人的には、今回の試験勉強とは別として、なぜ、どのようにこの教育基本法が改正されたのか、問題をつくりながら、今一度読み直したいと思う法律でした。

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