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言い過ぎ河合塾

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河合塾KALSという予備校が、2018年度公認心理師国家試験対策講座というWEB講座を開講しています。そのなかに「ケース問題実践編」という講座があります。その第5講「司法分野事例」の事例4の設問3で、選択肢の一つにソンディ・テストを取り上げています。

この問題はある自閉症スペクトラムの兆候がある少年に優先的に施行する心理テストとしてはどれが適切かという問題で、選択肢は(1)ソンディ・テスト(2)TEG-II(3)MMPI(4)バウムテスト(5)WISC-IVとなっています。この解答・解説の冊子の内容が少し言い過ぎなのです。次のような文章が書いてあります。

「選択肢1のソンディ・テストは運命分析の理論に基づく精神異常の傾向を判定するテスト……だが、妥当性も利用価値もないので、今時、矯正施設でも流石に使わないのでは。」(原文ママ)

ソンディ・テストは信頼性はあるのですが、妥当性についてはおそらく意見の別れる所でしょう。投影法である以上ロールシャッハ・テストと同様妥当性がないという意見があるのは事実です。

次の「利用価値がない」という表現は踏み込んだ表現です。仮にも長年に渡って世界のあちこちで使い続けられている心理テストを「利用価値がない」と断定するのはどのような根拠なのでしょうか。もしかすると妥当性がないと決めつけた上で、イコール利用価値がないとしているのかもしれません。個人的に「このテストを俺は使う気にならないよ」と言うのは自由ですが、この言い方はちょっと断定的な気がします。

次いで「矯正施設でも流石に使わないのでは」と書いてありますが、私の知っている範囲でも家裁調査官や刑務所勤務の技官で使っている方が何人もいらっしゃるのでこれは間違いです。学会発表される方もいらっしゃいます。語尾の「~では」から、想像で書いた文章であることが伝わってきますが、知らないことは調べてから書いた方がいいと思います。河合塾ブランドが泣いています。

この文章を書いた人が、実際にソンディ・テストを勉強し、利用し、指導を受けた上で利用価値がないと判断するのは自由です。でもこの人は果たしてソンディ・テストを使ってきたのでしょうか。

ソンディ・テストには高い的中率がありその魅力のため現在まで数多くの人が利用してきました。利用価値があるかどうかは一人一人が実際に使ってみて判断することです。賢明な皆さんは他人の判断を鵜呑みにせず自分の目で確かめてください。

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